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『永続革命論』についての初心者です。8月13日付けの一読者氏の質問とそれに対する回答に興味を持ちました。
ロシア語原文は以下のようになっています。
Разные страны будут совершать этот процесс разным темпом. Отсталые
страны могут, при известных условиях, раньше передовых прийти к диктатуре пролетариата,но позже их - к социализму.
第2センテンスのОтсталые страны могут, при известных условиях以下の訳文について教えてください。西島氏の訳文は「一読者」氏の投稿にあります。
このмогутとпри известных условияхをどう取るかがトロツキーの思想を理解する上でのカギを握ると思います。
1.могут
西島訳はこの мочьを「できる」と訳していますが、私は可能性、蓋然性がもっと正面に出るような訳文にした方がよいと思います。
2.при известных условиях
「一読者」氏への回答では、後進国の社会主義への到達が先進国より遅れるのは必然的であるということになり、一種の宿命論になります。ならばこのпри известных условияхの一節はまったく無意味になります。やはりこの一節が示す「条件」は後半までかかっているように訳すべ
きだと思います。一定の条件のもとでは~なるが、別の条件のもとでは~となるだろう、それはプロレタリアートの今後の実践的闘争にかかっているというのがトロツキーの思考と思想だと思います。
根拠
例えば、(西島訳、研究所版)
P36 「ロシアにおけるプロレタリアート独裁が社会主義に到達するかどうか、どのようなテンポで
、いかなる段階を経てそうなるのか、このことはヨーロッパ資本主義と世界資本主義の今後の運命にかかっている」
P156 「発展過程を飛び越すことはけっしてできない、ということ自体がナンセンスである…」
先の訳文ですと、トロツキー本人がこのナンセンスを主張していることになってしまいます。しかしトロツキーはこの種の宿命論とは無縁だったはずです。上に挙げた文章が雄弁に物語っています。
では私の試訳です。
「…一定の諸条件のもとでは、後進諸国は先進諸国よりも早くプロレタリアート独裁に到達し得るが、社会主義への到達は遅れることになるかもしれない」
宿命論とは無縁の、プロレタリアートの実践的闘争の進展の度合い如何にかかるとするトロツキーの思想に照らして、可能性・蓋然性が全面に出るように訳してみました。初心者がこんなことを書くのは「大胆」で怖いですが、率直に書きました。お教えいただければありがたく存じます。
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