同志スターリンへ
――全政治局員宛て
トロツキー、ジノヴィエフ/訳 西島栄
【解題】これは、合同反対派としての公然の闘争が開始される7月総会直前にトロツキーとジノヴィエフがスターリンと全政治局員に宛てた書簡で、当時最も熱心なスターリニストであったモスクワ党組織の書記ウグラーノフの動きを持ち出してスターリン側の動きを牽制する内容となっている。本邦初訳。
Л.Троцкий,Г. Зиновьев,ТОВ. СТАЛИНУ* для всех членов ПБ, Архив Троцкого: Коммунистическая оппозиция в СССР: 1923-1927, Том.2, 《Терра-Терра》, 1990.
※編者注 この文書の左上の端にトロツキーの筆跡で次のように書かれている――「執筆はたぶんジノヴィエフ」。
明日、中央委員会と中央統制委員会の合同総会が開催される。そこでは、党内生活の先鋭な諸問題が議題にのぼる。中央委員会および中央統制委員会におけるこれらの諸問題の討議とそこでなされる決定は、党生活において巨大な役割を果たすだろう。言うまでもなく、これらの問題の討議の際には、党を弱めるようないかなるやり方も避けるよう全力を尽くす必要がある。これまで出されたすべての公式声明は、党内論争を避けなければならないという趣旨のものである。ところが、今日と明日、モスクワで細胞ビューローと細胞自身の会議が開催されるが、そこでは、本来中央委員会と中央統制委員会によって解決されるべき諸問題に関する決議がきわめて性急にも議題にのせられている。モスクワ組織の書記である同志ウグラーノフのこうした行動のおかげで、中央委員会が、上から開始される一方的な論争の前に立たされるのではないかと懸念される。
われわれは、論争が党に大きな害を及ぼしかねないと深く確信しているので、以上の状況に政治局の注意を向けなければならないとみなしている。
G・ジノヴィエフ
L・トロツキー
1926年7月13日
『トロツキー・アルヒーフ』第2巻所収
新規、本邦初訳
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