トロツキー写真館

  

トロツキーの母、アンナ・ブロンシュテイン

 

アンナ・ブロンシュテインの墓

 「ステップの雪が四方からヤノーフカを埋め、窓よりも高く雪が降り積もる長い冬の間、母は好んで本を読んだ。食堂の小さな三角のレジャンカの上に座って足を椅子のうえに置いたり、あるいは、冬のたそがれが駆け足でやってくると、氷の張った小さな窓ぎわにある父の肘掛椅子に腰かけて、ボブリネツの図書館から借り出してきた小説本を、仕事に疲れた指で文章を追いながら大きな声を出して読んでいた。母は単語をよく間違え、複雑な言い回しに出会うとつまづいた。時には子供たちの誰かに教えてもらったことで、すでに読み終えた箇所をまったく読み間違えていたことがわかるともあった。それでも、母は辛抱強く、飽きることなく読んでいた。静かな冬の日の暇なときには、本を読む母の規則正しい声が玄関口にまで聞こえた。」(『わが生涯』第1章「ヤノーフカ」より)

 

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