|
8月中旬にパソコンが壊れて、まったくチェックできていませんでした。
本日ようやく、ネット復旧してみたら、またたくさんの書き込みがあって、びっくりです。
まず最初の質問に関してですが、もし後進国が先進国よりも早くに社会主義に到達することができるというのがトロツキーの考えなら、これは事実上、一国社会主義論を、しかも後進国の一国社会主義論をトロツキーが肯定していたことになり、とんでもないことになります。文法的にではなく、内容的に見て、「一定の条件下では」が、「プロレタリアートの独裁に到達しうる」にのみかかると解釈するのが正しいと思います(文法的にはどちらでも可能)。
引用されているように、「ロシアにおけるプロレタリアート独裁が社会主義に到達するかどうか、どのようなテンポで、いかなる段階を経てそうなるのか、このことはヨーロッパ資本主義と世界資本主義の今後の運命にかかっている」のですから、ロシアが社会主義に到達できるかどうかはまさに、ヨーロッパ資本主義が打倒されて、ヨーロッパのより高度な生産力にもとづいて社会主義が建設されるかどうかに依存しているわけです。なので、ロシアが、先進国より先に社会主義に到達することは、ないのです。
「永続革命」の「論」が抜けているという指摘ですが、それはこちらの初歩的ミスです。永続革命、永続革命論という言葉を何度も何度もパソコンで打っているなかで、論が抜けてしまったのでしょう。
コロンタイとブハーリンについてですが、これも訳し方の問題ですよ。とくにコロンタイがブハーリンにのみ同調し、ブハーリンがコロンタイを足蹴にしていたというのなら、問題ですが、要するにここで重要なのは、コロンタイとブハーリンが密接な協力関係にあったということであり、能動受動の関係ではありません。
「スターリン商会」……「~商会」という言い方はよくされるものであり(トロツキーもよくする)、普通、「スターリンとその一派」という表現方法を取ります。つまり、「and」が入るのが普通のなのです。そしてそれは普通「スターリン商会」と訳すのが定訳なのです(別に「スターリン一派」でもいいが)。ロシア語でも、 К°が「コンパニヤ」の略称であることはちゃんと辞書にも出ています。
「1923年になって」云々の箇所ですが、そこは、より日本語らしく訳すという観点で言葉が選択されており、したがって直訳はしていません。ただし、「1923年以前からそういう対置があった」と誤解されることを想定していませんでしたので、次に改訳する時は、その点を考慮したいと思います。
それにしても、初心者氏の「試訳」は実に直訳調ですね。「直訳」が正しい訳だと信じているのなら、それでけっこうですが、自分の直訳と異なることをもって間違いだと言うのは間違いです。
|
|