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先ほどの「到達する」云々についての追加です。
さっき改めて原文を確認したら、やはり文法的にも、「一定の条件下では」は、前者にのみかかると判断できます。挿入の形になっているからです。もしどちらにもかけたいのなら、このような挿入の形態はとらないはずです。
なお、「しうる」はどちらにもかかる、というのはその通りです。まさに、後進国が先進国より先にプロレタリアート独裁に到達しても、そもそも社会主義に到達しない場合もありうるからです(ソ連は実際にそうなった)。ですから、あの文章でトロツキーが言っているのは、後進国は、先進国よりも早く社会主義に到達することがありうる、ということではなく(それなら、「より遅く」という単語は用いない)、もし社会主義に到達しうるとしても、それは先進国よりも遅くにしか到達しない、ということです。
最後の一文の語尾を「しうる」にするかどうかは、これも訳し方の問題であって、ここでは特に重要な問題ではありません。意味的にはとくに誤解の余地はないと思います。
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